毛糸を知って楽しく編み物をしましょう-3
毛玉について
「毛玉」とは編地の表面に摩擦が加わりスケールがからまったものを言います。毛糸の中でできやすい糸は、スケールの多い「ウール」や、毛糸の撚り(ねじり)が甘いものです。やわらかさ、ふわふわ感は素晴らしいですが、摩擦で毛がからみやすくなります。それから、一本の毛の太さが細いものもデリケートで摩擦に弱いといえます。アンゴラ・カシミヤは、この為ヘアータイプでありながらウール以上に毛玉になりやすいといえます。
毛玉の出来やすさを毛糸の種類で知りましょう
毛玉は、毛と毛が絡まって出来ます。なので、柔らかい毛糸・撚りの弱い毛糸は、比較的毛玉が出来やすいです。一概には言えないのですが、毛玉のできやすさを素材別にご紹介します。
ウール …毛玉は比較的出来やすいです。ウールのなかでも、撚りの強い毛糸、少し固めの毛糸を選ばれたほうが、毛玉は出来にくくなります。
綿 …毛玉は出来にくいです。綿は、表面がウールに比べてすべりがあるため絡まりにくいからです。
アルパカ …毛玉は出来にくい方です。アルパカは、すべりが良いため比較的毛玉は出来にくくなります。
カシミア …毛玉は出来やすいです。カシミアは、柔らかいため、出来やすくなってしまいます。
シルク …毛玉は出来にくいです。
モヘア …毛玉は出来にくいです。一本の毛が長いため、玉にはなりません。
アンゴラ …毛玉は出来にくいです。モヘアと同じように、一本の毛が長いため、玉にはなりません。
化学繊維 毛玉は出来にくい方です。ウールに比べると比較的毛玉は出来にくくなります。
中途半端に余ってしまった毛糸を上手に保管しましょう
編み物をした後に、残った毛糸をそのままにして保管しておくといつのまにか絡まっていたりすることがあります。それを回避するため、中途半端な毛糸を毛糸玉にしたりします。普通にクルクルと巻いていって出来上がった毛糸玉は、保管するには便利なのですが、編み物をする際には若干困ります。なぜかというと外側から糸をほどいていくので、編んでいくたびにコロコロと転がってしまうからです。2色や3色編みなどする場合は大変なことになってしまいます。そこで、市販の毛糸のように毛糸玉の真ん中から糸を引き出せる毛糸玉の作り方をご紹介します。
まず毛糸の端を左手の小指に挟みます。糸端を挟んだ状態で、時計回りに毛糸を親指にかけ、「8の字」を書くように人指し指に下側から毛糸を渡し、親指に戻します。この一連の流れを(人差し指から親指へと「8の字」を書くように毛糸を渡す)3〜4回繰り返します。次に親指と人差し指からかかっている糸をまとめてはずし、親指と人差し指で折りたたむように挟みます。この挟んでいる状態で、親指と人差し指に毛糸を3〜4回巻きつけていきます。挟んだ毛糸と巻きつける毛糸は見た目は十字形になります。
巻きつけたら、親指のみを毛糸の輪から外し、人差し指だけが毛糸の輪の中に残っている状態で更に3〜4回毛糸を巻きます。この一連の作業をすることによって、毛糸を中から引き出しやすくします。人差し指も毛糸の輪から外し、親指と人差し指で毛糸の輪を挟みます。この毛糸の輪が、中から引き出せる毛糸玉の芯となります。
出来上がった毛糸の輪に、グルグルと毛糸を巻きつけていき、毛糸の終わり端がきたらその端を、巻きつけた毛糸玉の適当なところに挟み込みます。初めに小指にかけていた毛糸端が毛糸玉から飛び出した形で完成です。 巻きつける際、きつく巻くと糸を取り出しにくくなるので、あまりきつくならないように適度な緩さを持たせて巻くように心がけて下さい。