毛糸を知って楽しく編み物をしましょう-1
毛糸の種類について
毛糸といってもさまざまな種類に分かれていますが大きく分けると羊毛と羊毛以外の動物の毛の二種類に分けられます。
カールしている羊毛(ウール)
メリノ…扱いやすく、ウールの中では最高級品とされています。
シェットランド…英国羊毛です。こしのあるわりに柔軟性があります。
ジャコブ…糸が太いわりにソフトで弾力がある英国羊毛です。
ボロワース…ソフト感が特徴です。
シロップシャー…代表的な英国羊毛です。密度が高く、弾力性に富み、手ざわりが柔軟です。
ラムウール…生後6ケ月までの子羊の毛で、子羊特有のソフトな風合いを持っています。
直毛ヘアーの獣毛(羊以外の動物の毛)
モヘア…アンゴラヤギの毛で冬は暖かく夏は涼しく軽いのが特徴です。
アンゴラ…アンゴラウサギの毛で柔らかさ、ぬめり感は毛の中でもトップです。
カシミヤ…毛の中では最高級品です。柔らかく独特のぬめり感があります。繊度が細くデリケートなので、取り扱いには十分注意しましょう。
アルパカ…手ざわりがよく、ぬめり感がある絹状の落ち着いた光沢を持っています。
キャメル…軽くてやわらかです。保湿性、弾力に富んでいます。
羊毛と獣毛の違い、取り扱いについて
羊毛(ウール)の特徴はカールしているということが一番の特徴です。人間の髪に「キューティクル」があるように羊の毛にも「スケール」という、 うろこ状の表皮があります。羊毛はこの「スケール」が他の獣毛に比べて多く、 繊維自体がカールしているため保湿性、撥水性にたいへん優れています。
獣毛の特徴はヘアータイプと言われ、羊毛(ウール)に比べて「スケール」が少ないのですが、その分光沢がすばらしく、ソフトなぬめり感があります。その反面「スケール」のひっかかりが少ないため、 糸になってから毛が抜けやすいという性格を持っています。アンゴラやアルパカ、モヘアがよく毛が抜けるのもこのためです。糸の性格上やむお得ないことと言えます。
取り扱いの際、「毛100%のセーターを洗濯機で洗って、縮ませてしまった」というのはよくある話です。原因は、摩擦でスケールの凸凹が絡まってしまうためです。なので、毛100%の毛糸は「手洗い・押し洗い」が鉄則となります。水温は膨張を防ぐため30℃くらいで、繊維を傷めない中性洗剤が絶対条件です。
しかし、ウールの中でもお手入れが簡単なウォシャブル・ウールというのもあります。これは特殊加工により、スケールの凸凹を極力なくしたものです。ウォッシャブルウールは「純毛」でありながら洗濯機で洗えます。凸凹が少ないため「光沢」や「ぬめり感」は増していますが結び目がほどけやすいため、「二重はた結び」できっちりと結ぶなど対策が必要です。
ロット番号について
糸ラベルにロット番号(Lot)と書かれたところがあります。これは糸を染める時の染色槽の単位のことです。同じ色を染める場合は同一条件で厳重に管理しながら染色しますが、染める量など諸条件の違いによって微妙に色が違ってくることがあります。セーターやマフラーなど大きめの物を編む時は、同一ロットで揃えたほうがいいためあらかじめ多めに購入されることをおすすめします。
しかし、多めに購入しようと思ってもお店に在庫が無い場合もあり、同一ロットが揃えられないということもあります。そのようなロットが違ってしまった場合も、衿・袖ぐり、裾などのゴム編みや模様のさかい目などに使うと目立ちません。