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毛糸を知って楽しく編み物をしましょう-9

毛糸の素材の種類について

毛糸の素材の種類も多々あります。ここではその種類について簡単にご紹介します。

ウールレーヨン

素材はウール70%、レーヨン15%、シノン15%でシルクが入っていないのに光沢がある毛糸です。その上、柔らかさもシルクが入っていないとは思えないほどです。ウールレーヨンは、光沢があるので編み上がりを想像すると、少々派手になるように思われますが、実際に編んでみると落ち着いたニュアンスのある編み上がりになります。

ミルク繊維「シノン」の良いところを取り入れた毛糸

この毛糸の素材に「シノン15%」が入っています。シノンは日本のある繊維会社がシルクの代用を目的に開発した「ミルク繊維」のことで、「プロミックス繊維」とも称されます。牛乳の約80%を占めるたんぱく質「ガゼイン」とアクリル繊維の原料「アクリルニトル」を結合させてつくられた合成繊維です。その特徴は、シルクにも負けない美しい光沢。軽さ・耐久性についてはシノンが勝っていて、吸水性と拡散性のバランスが良く、適度な保湿性があることもシノンの特徴です。編み上がりは軽く、手ざわりはとてもしなやかになります。そのシノンを取り入れてある「ウールレーヨン」は柔らかく、初心者にも編みやすい毛糸です。編み上がりは、軽く、手ざわりはとてもしなやかです。ブランケット、セーター、マフラーなど、肌に直接接するアイテムなどにはお勧めです。

アルパカリリヤーン

軽くてとても柔らかい風合いて、手ざわりも抜群なのがアルパカリリヤーンの特徴です。糸端をよく見ると、白いネット(チューブ)状のものが見えます。これが、「超極細糸でできたナイロンのメッシュチューブ(リリヤーン)」です、そのネット状の中に、アルパカ100%の毛を吹きこみ、蒸気でふかして起毛させたのが太番手のアルパカリリヤーンです。このリリヤーンの「中」にアルパカの糸を吹きこんでいるのですが、起毛させた結果、「中に」というより、リリヤーンの「外に」出てきた部分が多く、リリヤーンに植毛したイメージの仕上がりとなっています。「暖かさ」「軽さ」「丈夫さ」「柔らかさ」等々、毛糸に求めるものはさまざまですが今は、以前に比べて「軽さ」を求める人がとても増えてきているので、そのニーズにあった糸といえます。

毛糸を軽くするための工夫はどのようにしているのでしょう

まずは、「撚りを甘くする(甘撚り糸)」或は「撚りをなくす(ロービング)」などの工程をして糸を作りますが、それでも軽さが足りないとなると、「リリヤーン(中空)」にして内部に空気を含むことによって軽くするというような工程をして糸を作ります。さらに軽くしようとなると、もう毛100%では弱すぎて無理になってきます。そうなると、次の策の一つは化繊(アクリル等)との混紡にすることです。ただ、アクリル混は毛100%と比べて、ふんわりとした暖かみが欠けがちになります。もう一つは、丈夫なナイロンと撚りの甘い毛を組み合わせることです。細いナイロンを芯のようにして組み合わせる(リッチモア・バカラ)、細いナイロンで回りを抑える(リッチモア・バカラ)、ナイロンのリリヤーンでカバーする(リッチモア・トリス)、クレーム・シャンティーイやリッチモア・ソフアルパカの様にナイロンリリヤーンにスライバーを吹き込む等々、さまざまあります。この場合は「軽く」「柔らかく」はなりますが、難点は、普通の撚糸に比べて毛糸を作るコストがかかるので、価格が高くなりがちなことと、ナイロン部分は丈夫ですが毛部分は弱いので、編み直したり、摩擦に弱いところです。

アルパカリリヤーン(リリヤーン状の糸)を編む時に気をつけること

編むときには、糸玉から無理やり糸を引っ張り出して編むのではなく、少し玉から糸を出してためておいて編むなど、糸にあまり力をかけない方が、このタイプの毛糸の長所が生きると思います。リリヤーン状の糸は、引っ張ると、細く長くなります。編む時や、綛を巻くときに、力(テンション)があまり加わらないように注意が必要です。中空にして空気を含ませているため軽くできているところに、力を加えてその中空をつぶしてしまうと、リリヤーンが中空になっている時と比べると比重の重い毛糸になってしまいます。編むときには、糸玉から無理やり糸を引っ張り出して編むのではなく、少し玉から糸を出してためておいて編むなど、糸にあまり力をかけないで編むことをこころがけて編むと、このタイプの毛糸の長所が生きてきます。

混紡や、様々なタイプの毛糸を作る技術があがって、色々な毛糸を選べるのは、とても嬉しい事の一つです。ただ、どの毛糸をとっても、軽さ・柔らかさは弱さにつながり易かったり、丈夫さは重さにつながり易かったり、洗濯のしやすさ(washable)はダレにつながり易かったりと、なかなか全てにおいて万能とはいきません。自分は何を優先したいかを考えながら毛糸を選択するのをお勧めします。

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