綿糸を使っての編み物

植物繊維である綿糸には動物の毛を使用したモヘアなどとは異なる特徴があります。
綿糸での編み物を始める前に、糸の特徴を覚えておきましょう。

綿糸の特徴

油分、水分共によく吸い込む。

肌触りが柔らかで、肌の上に直接着れる。

洗濯がしやすい。

綿糸で編むのに適したもの

サマーセーター

編み物と言えばマフラーやセーターを思い浮かべますが、編み物に使う糸の中には綿糸を撚りあわせた「サマーヤーン」と呼ばれる糸があります。

その糸は名前の通り、夏用のサマーセーターを編む目的で製造されています。

サマーセーターはTシャツやポロシャツの様に下着の上から着用するセーターで、中が見えないように透し模様は使わないのが一般的です。

近年はエアコンが効いている所と効いていない所の温度差が激しいので、夏用のカーディガンを編むのにも適しています。

ショール、レース手袋、スヌード

上記で説明した夏用の綿糸サマーヤーンでも編めますが、サマーヤーンは糸が太いので、ショール、レースの手袋、スヌード等を編むには30番程度のレース糸が適しています。レース糸は元々レースを編む為の糸で、色味も豊富にありますので配色も楽しめます。

色味では、白、黒、生成りが最も多く使用されています。

コースターやドイリー

この2つのアイテムは通常かぎ針と綿糸のレース糸を使用して編まれます。編み図の書籍も多く販売されているので、参考にされると良いでしょう。

スチームアイロンをあてて仕上げますが、その時少し硬めにのり付けしておくとパリッとして見た目が良く、汚れも落ちやすいです。

春夏用ベッドカバー、枕カバー、クッションカバー、

棒針で編めない事もありませんが、基本的にはかぎ針で四角形のモチーフを編みつないで制作します。

これらは人間が使うものなので快適さを重視した模様、平面的な模様を選びましょう。

これらの仕上げはスチームアイロンで、のり付けはしない方が快適です。

汚れを落ちやすくする為にのり付けをしたい方は、あまり硬くのり付けせず、薄く編み地に乗せる程度にしておくのをお勧めします。

モチーフ小物

最近流行りの花や葉のモチーフを使ったアクセサリー等の小物。

これらは編み目模様がはっきり出ている事で愛らしさ、綺麗さが引き立ちますので、撚りのしっかりとかかった綿糸レース糸が適しています。

撚りの甘い綿糸でも編めない事はありませんが、撚りが甘いと針が糸に刺さり割ってしまいます。中級者以上の方でしたら撚りの甘い糸でも綺麗に編めるかと思いますが、編み物初心者の方は撚りの強い糸を選びましょう。

仕上げはスチームアイロンで硬めにのり付けをしましょう。

編み物ではどこの教室に行ってもまず「手を清潔にこまめに洗ってください」と教えられます。それは糸が手の汗を吸い取ってしまうからです。

特に今回紹介した綿糸は冒頭で述べた通り水分が染み込みやすいので、手の汚れ、汗染みが他の種類の糸よりも付きやすいという欠点も持ち合わせています。

綿糸はとても柔らかな肌触りでそのままでも心地よく、のり付けすると模様がカッチリと綺麗に出る非常に優れた繊維です。

上手に編めていても手の汚れが付着していてはせっかくの作品が台無しになってしまいます。

そういった失敗をしないようにやはり手はこまめにきちんと洗いましょう。

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